タイ人女性と国際結婚の手続きの流れ

国際結婚手続きについて、日本の市区町村役場で最初に婚姻届を提出し、その後タイ側の郡役場(登録事務所)で報告的婚姻登録をする方法を詳細に解説します。

タイ人との国際結婚には、婚姻の要件と女性の再婚禁止期間に注意が必要です。具体的な要件と再婚禁止期間は以下の通りです。

【婚姻の要件】

• 男女は17歳以上であること

• 満20歳未満の場合、父母などの同意が必要(一方的要件)

• 女性の場合、前婚解消から310日を経過していることが必要(例外:妊娠していないことを診断書で証明した場合)

• 重婚は禁止(双方的要件)

【再婚禁止期間】

• 日本の法律では、離婚後の再婚禁止期間(待婚期間)が100日間設けられています。

• タイの法律では、離婚後の再婚禁止期間が310日間設けられています。

日本人と外国人(タイ人)の国際結婚のためには、日本側の市区町村役場で受理される婚姻届は、両当事者がそれぞれの本国法に定められた婚姻の要件を満たしているかどうか審査されます。再婚禁止期間は双方的要件であり、タイの法律で定められた310日間が結婚の実質的な成立要件となります。ただし、医師の診断書で受胎していないことを証明する場合、例外規定により結婚が認められる場合もあります。この診断書を提出すると、日本側でも離婚後の婚姻届が受理されることになります。

まず、日本で最初に結婚届を提出するケースを考えてみましょう。この場合、タイ人のパートナーが海外に在住している場合と、日本に留学などで既に住んでいる場合が考えられます。

【タイ人が海外に在住しているケース】タイ人がタイ(海外)に住んでいる場合、タイ人が来日せずに日本人の配偶者一人だけが婚姻届を提出できます。タイ人のパートナーが忙しくてタイへ渡航することができない場合などは、必要な書類をタイから日本に送り、日本人の配偶者が一人で市区町村役場で婚姻届を提出することができます。

具体的な手続きは以下の通りです。

1. 市役所や区役所で、必要な書類を確認します。

2. 市役所や区役所に必要な書類を持参し、婚姻届を提出します。婚姻届が受理されたら、1~2週間後に婚姻事実が記載された戸籍謄本を取得します。

【タイ人の必要書類】

• 独身証明書(婚姻状況証明書)

• 住居登録証(タビアンバーン)

• 出生証明書(スティバット)

• 申述書(各市区町村役場に用意されています。タイ人の署名が必要)

• その他の書類(パスポートのコピー、タイ国民IDカード(バットプラチャーチョン)、離婚がある場合は、離婚証明書、医師の診断書(婚姻解消後310日以内の場合)、改姓証明書など)

【日本人の必要書類】

• 戸籍謄本(3か月以内に取得したもの、本籍地以外で婚姻届を行う場合)

• 婚姻届(2通、タイ人の配偶者の署名が必要)

【タイ人が日本に滞在しているケース】タイ人が日本に住んでいる場合(在留カードを持っている場合)、タイ外務省が認証した婚姻状況証明書(3か月以内)を入手するため、在東京タイ王国大使館領事部、タイ王国大阪総領事館、在福岡タイ王国総領事館に行きます。ただし、婚姻状況証明書にタイ外務省の認証がある場合、駐日タイ大使館領事部の認証は必要ありません。ただし、婚姻届を提出する予定の市区町村役場で事前に確認してください。

注:現在、駐日タイ王国大使館領事部では婚姻要件具備証明書は発行されていません(2020年4月以降)。

なお、オーバーステイなどの不法滞在者と結婚するケースでも、日本の市区町村で婚姻届を提出できますが、在留特別許可を希望する場合は特別な手続きが必要です。